■今月の活動
1.奥能登アーカイブ開設準備
住民、アーティスト、サポーターでつくる奥能登アーカイブの開設に向けた準備を進めています。珠洲市の飯田地区にアーカイブの拠点として「スズ・レコード・センター」を整備し、展示やワークショップ、レクチャー、機材貸出しなどを行う予定です。このプロジェクトに関わるアーティスト、佐々舜さんと浅野友理子さんが、2月20日から21日にかけてディレクターの甲斐賢治さんと共に珠洲市内を取材しました。取材では、珠州焼の篠原敬さんや中島大河さん、大谷地区の食に関わる婦人グループなどの活動などをヒアリングしました。センターのロゴも完成し、開設に向けた準備が着々と進行しています。
2.解体される家屋の記録
2月4日〜7日にかけて、珠洲市三崎町にある古民家レストラン「典座」の坂本一郎さんから声をかけて頂き、解体に先だって納屋の記録をさせていただきました。
6代に渡り受け継がれてきた坂本さんの「家」での暮らしに繋がるさまざまな時の連なり重なりを映像と写真におさめ、お話もうかがいました。


3.記録者のつどい
2月20日に本町ステーションにて「記録者の集い」を行いました。当日は20名近くの方が集まり、これまでに撮影された写真や映像、音、そのほかさまざまな記録を囲み、それぞれの視点で地域のことを語りました。いろんな目線から珠洲を眺めるいい時間となりました。今後も定期的に開催していきたいと考えています。

4.作品の状態確認と修繕計画
〇スズ・シアター・ミュージアム分館〈大蔵ざらえ収蔵庫〉の修繕および被災点検
令和6年能登半島地震および同年9月21日に発生した豪雨で被災した会場を、2025年度の修繕を目指し、建築家の山岸綾さん(サイクルアーキテクツ)と地元の工務店の方立ち合いのもと、再度被災状況の確認と修繕費の見積もりを行いました。また、昨年末に隣家が倒れ掛かり破損していた窓部分をブルーシートと木材で塞ぎ、風雨を凌ぐための応急処置を施しました。


〇スズ・シアター・ミュージアム本館 記録撮影
被災状況の記録と、今後残すことが難しい民具の保存・再生の可能性の検討も含め、国立歴史民俗博物館の研究チームが作品会場内の3D撮影を行いました。(▼白い球体がカメラ)


〇積雪後の作品点検
2月上旬の積雪後に、作品の状態確認を行いました。
▼詳細は「お知らせ_積雪後の点検報告」にてご覧いただけます。


5.外部イベントへの参加
金沢21世紀美術館と総合地球環境学研究所が主催する「地球研DAYS」のトークセッションに、ヤッサープロジェクト事務局の関口正洋と国立歴史民俗博物館の川村清志さんが参加しました。このトークでは、能登の復興支援に関わるパネラーが招かれ、珠洲、七尾などの現状や復興支援の様子、高校生の能登住民への聞き書きをまとめた「ノトアリテ」の活動などが報告されました。住民の力と外部の力を組み合わせてレジリエントな地域を形成することの重要性が確認され、アートが復興にどのように寄与できるかについても議論が交わされました。
6.大谷合宿
2024年元日の地震に加え、9 月の奥能登豪雨の被害の大きかった大谷地区で、「大谷合宿」開催に向けて準備しています。2月開催を目指していましたが、記録的寒波による大雪の影響で延期となり、現在4月中旬の開催を目指し準備中です。
■珠洲でのできごと
〈珠洲市復興計画〉
2024年末に公開された復興計画(案)へのパブリックコメントを経て、復興計画が公表されました。
▼珠洲市復興計画(本編)
https://www.city.suzu.lg.jp/uploaded/attachment/8446.pdf
▼珠洲市復興計画(概要版)
https://www.city.suzu.lg.jp/uploaded/attachment/8273.pdf
▼過去4回開催された、珠洲市復興策定委員会の議事録等、資料は以下のページよりご覧いただけます。
https://www.city.suzu.lg.jp/site/r6-notohantou/16098.html
〈まちづくり協議会の発足〉
2023年5月5日に発生した震災においても家屋倒壊など被害の大きかった珠洲市正院町では、2024年の震災後、早くから地区の復興に向けた取り組みが進められていました。
2月2日には、規約などを定めたものとしては市内初のまちづくり協議会「正院町未来会議」が発足し、正院町公民館で設立総会が開かれました。設立総会には82名が出席し279名が委任状を提出しました。
〈住居〉
2025年1月には市内1ヶ所(9名)あった避難所が閉鎖しました。
現在建設が完了している仮設および復興住宅は現在1,740戸で、こちらで現段階で計画されていた戸数が完了しました。 地震により全壊または半壊となった家屋等の解体・撤去を公費で賄う「公費解体」は、申請件数5,028件に対し、3,180件が実施されました。
また、当初2025年1月31日が申請期限でしたが、2025年6月30日まで延長となりました。


〈土砂被害〉
2024年9月の豪雨によって、広域で土砂災害が起こりました。特に被害の深刻であった大谷地区では、ひきつづき住宅地を埋める土砂の撤去作業が進められています。
〈上下水道〉
断水は、早期復旧困難地区42戸を除き解消されています。断水の続く地域については以下を参照下さい。
▼上水道・下水道_珠洲市
https://www.city.suzu.lg.jp/site/r6-suido/
〈交通情報〉
通行止めなどの交通情報は以下を参照ください。
▼石川みち情報ネット~冬道路情報~
https://douro.pref.ishikawa.lg.jp/