2024年4月の活動をご報告します。
1. 今月の活動
上戸地区にあるラックス・メディア・コレクティブの作品「うつしみ」の点灯試験、若山地区にある小山真徳さんの作品「ボトルシップ」の点検、スズ・シアター・ミュージアムの安全確保のための作業を行いました。また、スズ・シアター・ミュージアムのある大谷地区の個人宅や公民館の片付け作業を行いました。
2. 活動内容
■ラックス・メディア・コレクティブの「うつしみ」の点灯実験
4月7日、アートフロントギャラリースタッフが、ラックス・メディア・コレクティブの「うつしみ」の点灯実験を行いました。灯りは問題なくつきました。
■小山真徳「ボトルシップ」の点検
4月8日、作家の小山真徳さんとアートフロントギャラリーのスタッフが、作品「ボトルシップ」の雪囲いを外し、水の循環システムを含めた船の点検を行いました。水の循環システムは動きませんでしたが、船の中のメダカは生きていました。
■スズ・シアター・ミュージアムの作業
4月8日から11日にかけて、作家の南条嘉毅さん、カミイケタクヤさん、大川友希さん、国立歴史民俗博物館の川村清志さん、川邊咲子さん、アートフロントギャラリーのスタッフが、スズシアターミュージアムで以下の作業を行いました。
・大川友希作品「待ち合わせの森」上部の吊り物の調整
・KIGIがデザインした屋外ネオンサインの点灯確認
・館内各所の天井付近吊り物の点検
・プロパンガスへの動線確保のための土砂の片付け
・館内の3D撮影
・スズ・シアター・ミュージアムの上空写真の撮影
・破損した民具の記録
4月23日から26日にかけて、作家のOBIさん、アートフロントギャラリーのスタッフで、OBIの作品「ドリフターズ」の一部修復作業を行いました。
■大谷地区での活動
4月8日から11日にかけて、作家の南条嘉毅さん、カミイケタクヤさん、大川友希さん、国立歴史民俗博物館の川村清志さん、川邊咲子さん、舞台監督の伊東龍彦さん(さいはての朗読劇を担当)、アートフロントギャラリーのスタッフが、大谷地区で以下の活動を行いました。
・大谷公民館の室内の片付け・不用品の廃棄
・広栄寺の片付け・不用品の廃棄
・T邸の片付け・不用品の廃棄
■文化財レスキュー活動の打ち合わせ
4月10日、国立歴史民俗博物館の川村清志さん、川邊咲子さん、淑徳大学の内山さんが、珠洲市の学芸員と珠洲市内の文化財の現状についての情報交換、今後の文化財レスキュー活動について打ち合わせをしました。
■メディア出演など
4月23日、美術評論家の暮沢剛巳さんを北川フラム塾にお招きし、北川フラムと珠洲の現状と今後について対談しました。
4月24日、北川フラムが、NHK「視点・論点」に出演し、珠洲の状況を報告しました。
3. アーティストたちの動き
奥能登国際芸術祭に関連したアーティストたちの活動を紹介します。
宝立地区で坂茂さんが設計した仮設住宅90戸の建設が進んでいます。
第1回展で「サザエハウス」を制作した村尾かずこさんが4月20日から21日にかけて三崎地区や大谷地区でボランティア活動をしました。
中瀬康志さん、坂巻正美さん、宇土ゆかりさんが4月28日から5月5日にかけて上黒丸地区でボランティア活動をしました。
4. 珠洲の様子
珠洲市内には現在30か所の避難所があり、約550人が避難しています。
自衛隊の炊き出しは終了しましたが、市内の飲食業者が協力して1日に約2200食のお弁当が配られています。
応急仮設住宅の申込みは約1800件あり、ほぼ同数の建設が進められています。すでに約1000戸が完成し、入居が始まっています。被害家屋の内部2次調査とともに、罹災証明書や被災証明書の発行も進み、公費解体の受付も開始されました。
上水道については、順次通水エリアが広がってますが、各エリアの配水池から各住宅の配管、各家庭の配管が多数故障しているため、地区に給水支援が入って対応しています。
下水道の大部分はまだ回復しておらず、いまだ仮設トイレを利用している方が多くいます。
災害ボランティアの受け入れも増えており、4月末までに累計で10,000人超が活動しています。
(申込:石川県県民ボランティアセンター)
5.5月の活動予定
引き続き、10地区の復興プロセスを記録していきます。
アーティストや専門家も現地入りしており、できる限り彼らの活動をサポートしていきます。
山本基さん、小山真徳さん、奥村浩之さん、弓指寛治さん、川村清志さん(国立歴史民俗博物館)、山岸綾さん(建築家)、田尾玄秀さん(建築家)なども現地入りする予定です。